戦う者の歌が聞こえるか

 ずっとずっと観たかった、『レ・ミゼラブル』観劇(この日のために、仕事も頑張った)。プロローグの「囚人の歌」聴いた瞬間にテンション上がる(あんな暗い歌やのに)。長い原作をがっさり刈り込み、ぎゅっと凝縮してる作品やったけど、素晴らしい歌の数々とキャストさんのおかげで、ほんとに楽しめた。セリフが全然なくて、全編歌でつないでて、まさにオペラ。でも、その歌のひとつひとつに説得力があるのです。ミュージカルっていいなと再認識。

 ・祐さんは、やっぱりスターさんやなと。オーラがっ!背高いから、ロングコートがとても似合う。コゼットを抱いて、ぐるぐるぐるぐる回るとこがかわいくて好きです。コゼットへの愛があふれてて、いいバルジャンやった。「彼を帰して」とか、あんな高音よく出るなー。
 ・ジャベールの鈴木さんが、すっごくかっこよかったです!『キス・ミー・ケイト』で観た時は、セリフをしゃべる声が聞き取りにくくて、うーんと思ったんですが(エリザのフランツは良かった)、今作みたいに歌ばっかの作品やと強いなと。ほんとに美声。しかも見た目もダイスキ。黒コート似合うなー。ジャベールって、執拗で粘着質で嫌な奴のはずなのに、彼に正義(って何だ?)があるのかもと思ってしまう。「星よ」が素晴らしかった。
 ・エポニーヌは坂本さん。声優イメージが強かったけど、歌うまいなー(口開け)。体つき(細くて、ぺったんこ←失礼)が、少年に間違えられるエポニーヌに合ってて、それも良かったです。「オン・マイ・オウン」も「恵みの雨」もせつない!
 ・アンジョは小鈴まさ記さん。この人もかっこよかった。端正で知的で、しかも熱い。最初は、ワタシはもうこんな風に熱くはなれねぇやと、ひいて観てた。でも、彼が「ABCカフェ」や「民衆の歌」を力強く歌うのを聴いて、結末が見えて苦しいながらも、その情熱が羨ましい。民衆や、暗い状況を打破するために、アンジョは何かしないと!って本気で思ったんやろうなと思わされる説得力(2回目)。
 ・マリウスは原作通りの、恋に浮かれるぼんぼんでw岡田さんは、思ったよりロック唱いじゃなくて、聴きやすかった。コゼットもかわいかった。
 ・「ラブリー・レイディ」のあからさまな歌詞にびっくりした。一番は♪下着が血だらけ苦しいわ。  ギャー。
 ・アンサンブルのパワーも、すごく感じられた。いいなー、こんな作品に出られて。
 ・ガブローシュが死んで、グランテールが号泣してたのが印象的。
 ・グラブさんすごい!めっちゃきれいでめっちゃうまい!1幕のどうしようもなさ(死んじゃう直前の、コゼットの幻を見てるとことか)も良かったけど、エピローグで白いドレスで出てくるとこが、天使かと思った。美しすぎる。すごい透明感。マダム・ヴォルフと同じ人なんて思えない。

 あー、もっと観たーい!(あと1回)予定が合わなーい!