父親と娘は離れられない定め

grandrevue2006-05-19

 『タイタス・アンドロニカス』を観劇。2列目やと思っていったら、1列目がなくて最前列。しかも通路側やったので、小栗くんが真横を通過!やーん、嬉しいvv ロビーにはこれから使われる道具類や衣装、姿見なんかが置いてあったり、劇場に入ったら、役者さんたちがうろうろしてはったりで、ちょっとテンション上がったよ。
 ・ストーリーはほんとに陰惨。人死にまくり。また、舞台も衣装も白が多いから、血の赤さが際だつ。ほんと、復讐なんて、何も有益なものを生み出さないよねー。人が死んでいくばかりでさ。自分のもの(国、家族など)のためなら、誇りに満ちた美しい表情でいられるのに、「敵」に対しては、残忍な表情しかできないなんて>タイタスの息子たち&タモーラの息子たち。蜷川さんの演出は、ことさらに社会性や同時代性を強調するわけではないけれど、悲劇の連鎖っていう作品の持つメッセージは今の時代(というかいつの時代にも)に通じるなーと。
 ・タイトルロールの吉田鋼太郎さん、ハマってたなー。強く、誇り高いタイタスそのものなんだと思う。不幸が次々に降りかかって、ほんとにかわいそう。強靱な体をかがめ、跪く姿が悲しい。
 ・麻見れいさんは、すごい存在感(何気に生で拝見するのは初めてです)。息子の首を抱え、放心したような表情は痛ましく、一転皇后のなってからの、不遜にも見える毅然とした様は本当に美しかった。エアロンと戯れる時の、艶やかな様もぽけーっとなりました(素敵)。カーテンコールでひっこむ直前に、ふかーいお辞儀をしはったのが、またきれいやった。
 ・お目当ては小栗くんやったので。黒い肌も、引き締まった身体も美しい。常に、ギラギラした刃のようで、花男で王子様やった人とは思えない。自分の子を慈しむ様に、類くんの名残を見た(あの声も好きです)。
 ・真中瞳さんは出だしきらきらしてて、かわいかった。「あたし愛されてるの☆」オーラ満開。ボロボロになってからは、ほんとにかわいそう。タモーラの息子たちの血をたらいで受ける時、回りの親族はドン引きしてるのに、ひとり笑みを浮かべてるのが怖かった。この辺から狂ってるのかなー。父の手にかかる時の安らかな表情も、狂ってるとしか思えない。
 ・マーカスの壌晴彦さんが、素敵な存在感で良かった。語り部にふさわしく、落ち着いた佇まいと声。
 ・メガネ男子愛好会としては、センプローニアスの清家栄一さんがっ!泣く時に、メガネ外して涙を拭うのがねー。