あなたの歌う姿が あまりにも寂しそうだったもので

grandrevue2006-06-02

 おかんと星バウ『フェット・アンペリアル』観劇。ずっと楽しみにしていた舞台やったので、感慨もひとしおですよ。
・登場人物が多い、聞き慣れない単語が多い、結局諜報部が何やってるのか今ひとつわからない(いや、ワタシの勉強不足のせいもあり)(この時代の本って、読んだら面白そう。コーラ・パールもモルニー伯爵もラ・パイーヴァも実在するなんて!)とかで、一見とっつきにくいけど、前を向いて生きようとする人たちの物語だと考えると、全部すとーんてワタシの中に落ちてくる(一生懸命生きる人たちっていいナ…)。大野センセイが、膨大な資料にあたって頑張って考えた設定とかを、ないがしろにするような見方かもしれんけど。いまひとつ馴染めない貴族の暮らしから飛び出し、諜報部に入ったウィリアム、弱みを握られているとはいえ、精一杯エージェントの仕事をこなすエンマ、努力して外務省に入り、出世しようとするニール。みんなもがきながら生きていくわけじゃないですか。そうして生きていく上で、人を好きになったり、反目しあってたのが心を通わせたり、囚われの身から自由になった自分を思い描いてみたり。エンマ死んじゃうのが、ほんとに悲しくて。せっかく希望を見いだせて、その「希望」はキラキラ輝いていたのに。
 ・しいちゃんは相変わらず太陽のよう。でもウィリアムの見せる陰りも垣間見れます。不器用そうな感じが愛おしい。きっと、愛情とかうまく伝えられないんだよねー。だから、アーサーとぎこちないんよねー(誰に同意を?)。本家に引き取られてから、育ての母親が気を使って、よくしてくれたのもわかる気がする。いろいろ悩んでるのに、それが暗い方向にいくんじゃなくて、むしろ端正な人物となる材料になってるのが、しいちゃんやなーと思う。
 ・ウメちゃんは、相変わらず細い… ドレスの上にローブをまとうような重ね着でも細く見えるもん。好きやから、何もかも贔屓目に見てしまうけど、ワタシはウメちゃんの演技がとても好きです。細い身体にいっぱいの悲しみを抱え込んで、それでも背筋を伸ばして生きるエンマ。痛々しいなんて、そんな同情を安易にしてはいけないのですよ、きっと。彼女に「そんな目で見ないで」って怒られる。ウィリアムの腕に抱かれる儚げな様もとても美しかった。「優しかった父の面影が頭からはなれないのぉ」(うろ覚え)の「ぉ」の伸ばし加減にきゅんときた。いや、「きゅん」どころじゃないよね。ワタシがウィリアムでも抱きしめるわ。壊れそうで。でも、一番じーんときたのは、ケイティと♪子ネズミでも〜って歌うとこ。かわいいなー、健気やなー。そんな感じでウメちゃん大好きです。
 ・そして涼さんも大好き(もういいよ…)。ニールおいしかったね。想像してたより面白い人やった。いやでも、出てきた瞬間からめっさかっこいいv黒ロン毛も似合うし、ステッキ持ってるし!(重要)結構困るというか、戸惑ってる表情が多くて、新たな魅力発見ですよ!あと、涼家の坊ちゃんが、机に足を乗っけるなんて(平民出身の役です)。ひかちゃんシンシアとの、細かい言い合いが微笑ましくてかわいいなー。「君のことは僕が守るから!」やーんvv言われたーいvvカンカンの場面も楽しそうにやってはって、見てる方もウキウキ☆ワタシ、涼さんの照れ隠しとして、ふてくされたような言い方をするのがすごく好きだということに今気付いた。
 ・みなみちゃんはうまかったなー。柔らかで美しくて、でもコミカル。歌うまくて、「娘役」って感じのかわいらしさ。でも、要所要所でぴりっとしめてはって、よい役者さんやなと思いました。「エンマのこと何も知らないくせに」って、笑顔でウィリアムに言うシーンとか、わーって思った。若いのに、いろいろな事を既に経験し、知ってしまった者の重みがちゃんと出てて。
 ・せあらちゃんかわいかった。どんだけかわいいねんっていうくらいw前述の、ウメちゃんと歌う場面とかねー。そして泣かせる演技。「だけど、ほんとに踊れないのかな、私の足」。ドレスで踊る、淑女の役の時も、ほんとかわいくて目がいく。
 ・ひかちゃんは、涼やかで、素敵な存在感。ただきれいなだけじゃなくて、ぴりっとしてていつも素敵。
 ・カンカンは娘役全参!ゆずみさん、ひかちゃん、マキさん、みなみちゃん、みんな若くてかわいかったです。前髪作ると感じ変わるよねー。
 ・ふありちゃんに短銃。うわーv冷酷なふありですよ!
 ・まりいちゃんが歌ったよ!セリフもあったよ!カステリオーネ男爵夫人は実在の人物らしい。舞台メイクすると感じ変わるね。写真で見た、万里沙ひとみさんみたい。
 ・羽桜しずくちゃんもかわいかった。89期娘役って、バラエティに富んでる(というか濃いよ…)。舞椰莉々ちゃんもやし、遥奈瞳ちゃんににゃるちゃん。
 ・では男役さん。ちぐは、相変わらずキザってて、おもろくていいなー。美しき同期愛。そして身長差。
 ・にしきさんは、嫌らしさの中に賢さが見える。だから怖いのです。伯爵(エロ)の時はオールバックやねんけど、街の男の時は髪の毛ふぁさーってしてて、一瞬わからんかった。  
 ・えりこちゃん(麻尋)はまたかわいくてねー。こんな弟欲しいな、オイ。「兄さん」って行って、ウィリアムにぎゅってするとこはじーんとした(おかん泣いてた)。お芝居では、真っ直ぐっで汚れなき青年やのに、何でショーになるとあんなエロくなるんやろう。。おそるべし、麻尋しゅん!
 ・ぎんがみちゃん(銀河)は、ほんとに男役らしくなったよね(しみじみ)。
 ・水輝涼くん(じゅんなさんっていうらしい)は、早くも貫禄めいたものが。サマービル、怖かったけど、そんだけうまいんよねー。どこまでも追ってきそう。ねったんのヘスのように。
 ・汐月しゅうくんが、カンカンの場面のソロで見事なダンサーっぷりを発揮。長身で舞台に映える。あのカンカンシーンはすごく好きです。『1914/愛』でも見られたようなあの強引さ(取り敢えず踊って場面転換)はいいと思う。

 なげぇな…