誰も言葉なんて信じていなかった

デス電所『夕景殺伐メロウ』観劇。精華小劇場の看板(というか表札みたいなの)がキレイになってました。
・前作では、暗い暗い話の最後に希望を感じた。今回は、どうしようもない美しさと寂しさが残った。美しさは、カナが姉を思う気持ちに。寂しさは、起きてしまったことは、もうどうしようもないということに。カナが、自分の最期に何を願おうと(願ったことを後から言おうと)何も変わらない。「叶うなら」お姉ちゃんがもう誰も人を殺しませんように。お姉ちゃんが幸せになりますように。
・けれどカナは言う。「お姉ちゃんが、あたしをしゃべらせてるんやで」(カナは絵の中にいる少女)カナがあんなにまっすぐで優しいのは、ハナ(姉)が望んだからだろうか。でも、奥田ワレタさんが演じてるから、カナ自身の意思に思えるんやけど。シアターガイドでも書かれたけど、ワレタさんが演じる人たち、はひどい状況に落とされても、この子はまだ立ち上がれるんじゃないかって思える。
・正直、犯罪被害者の会がどうのこうのっていうのは、うまくハマってなかったような?「報復の連鎖」について言いたかったんだろうけど。 ニュースかなんかの音声が流れるのは『オレステス』を思い出す。演劇にせよ、歌にせよ、ものを書く人は9・11以降の世界について、何かしらのメッセージを持ってはるね。
・今回も女優さんが元気。ワタシは、田嶋杏子さんが気になります。美人さんなのに。あの思いっきりっぷりが。